竜王戦七番勝負第3局
2024年11月03日
竜王戦七番勝負第3局が10月25、26日(金・土)に京都府京都市「総本山仁和寺」で行われました。
第2局は挑戦者・佐々木勇気八段の鮮やかな指し回しで快勝。
勝敗を五分に戻して仕切り直しの本局。
舞台は仁和寺。仁和寺は『にんなじ』と読みます。
真言宗御室派の総本山で古都京都の構成遺産としてユネスコ世界遺産に登録されています。
さて、藤井聡太竜王はこの仁和寺で過去3度タイトル戦を戦っていますが、3戦3勝の無敗。仁和寺決戦では滅法強い藤井竜王から仁和寺で土をつけ、更に勝ち星でも先行できるのか、佐々木八段の戦いぶりも見ものであります。
藤井竜王が再び先手となった本局は2手目にさっそく佐々木八段が変化球の3四歩。そして9四歩、9五歩と端歩を突き越す。
前例が極めて少ない。そして角を交換した。
これは・・・角交換振り飛車!?
居飛車党の佐々木八段が飛車を振るのは珍しい。しかもダイレクト向かい飛車。素早く片美濃に囲って相手の隙を狙います。
しかし盤の向こうの相手は百戦錬磨の藤井竜王。付け入る隙があるかどうか・・・。
駒組みも終え、手に入れた角もお互い早々に盤に戻すと、開戦の合図とばかりに9六歩と駒をぶつけた藤井竜王の手に長考する佐々木八段。そしてそのまま封じ手となりました。
2日目。佐々木八段の封じ手は下手な小細工などせず堂々と受けて立つ9六同歩。
2日目中盤は捻り合いの様相となって、しかし模様は後手が良さそうに思えるのだが・・・。
勝負の天秤が傾いたのは、5四歩とぶつけられた歩を放置して先手陣に強くプレッシャーを掛けた佐々木八段の一手でした。
8六に攻防の桂を放つが藤井竜王は金取りを放置して更に踏み込んでいく。
何とか藤井玉に迫ろうと攻撃を仕掛けるが、絶妙にその攻めをかわしていく藤井竜王。
1時間弱の長考。震える手で銀を上る佐々木八段の攻めが途切れたのが合図と言わんばかりに藤井竜王の終盤の正確な寄せが始まる。なんとか藤井玉に迫ろうとするが竜王の寄せが早い。電光石火の7二角成を見て佐々木八段が投了。99手で藤井竜王が勝利し勝ち星を先行させた。
結果は後手の負けではあるが、かなり押していた時間が長かったように感じた。先手の藤井竜王にここまでやれるのであれば、佐々木八段にも今後まだまだ挽回するチャンスはあるように思える、そんな一局でした。
悔しさの表れなのか、投了の意思を示めすと即感想戦に入る佐々木八段。
この悔しさを次の先手番で晴らせることが出来るのか。
次回は大阪・茨木市での対局となります。
《タカダ》
第2局は挑戦者・佐々木勇気八段の鮮やかな指し回しで快勝。
勝敗を五分に戻して仕切り直しの本局。
舞台は仁和寺。仁和寺は『にんなじ』と読みます。
真言宗御室派の総本山で古都京都の構成遺産としてユネスコ世界遺産に登録されています。
さて、藤井聡太竜王はこの仁和寺で過去3度タイトル戦を戦っていますが、3戦3勝の無敗。仁和寺決戦では滅法強い藤井竜王から仁和寺で土をつけ、更に勝ち星でも先行できるのか、佐々木八段の戦いぶりも見ものであります。
藤井竜王が再び先手となった本局は2手目にさっそく佐々木八段が変化球の3四歩。そして9四歩、9五歩と端歩を突き越す。
前例が極めて少ない。そして角を交換した。
これは・・・角交換振り飛車!?
居飛車党の佐々木八段が飛車を振るのは珍しい。しかもダイレクト向かい飛車。素早く片美濃に囲って相手の隙を狙います。
しかし盤の向こうの相手は百戦錬磨の藤井竜王。付け入る隙があるかどうか・・・。
駒組みも終え、手に入れた角もお互い早々に盤に戻すと、開戦の合図とばかりに9六歩と駒をぶつけた藤井竜王の手に長考する佐々木八段。そしてそのまま封じ手となりました。
2日目。佐々木八段の封じ手は下手な小細工などせず堂々と受けて立つ9六同歩。
2日目中盤は捻り合いの様相となって、しかし模様は後手が良さそうに思えるのだが・・・。
勝負の天秤が傾いたのは、5四歩とぶつけられた歩を放置して先手陣に強くプレッシャーを掛けた佐々木八段の一手でした。
8六に攻防の桂を放つが藤井竜王は金取りを放置して更に踏み込んでいく。
何とか藤井玉に迫ろうと攻撃を仕掛けるが、絶妙にその攻めをかわしていく藤井竜王。
1時間弱の長考。震える手で銀を上る佐々木八段の攻めが途切れたのが合図と言わんばかりに藤井竜王の終盤の正確な寄せが始まる。なんとか藤井玉に迫ろうとするが竜王の寄せが早い。電光石火の7二角成を見て佐々木八段が投了。99手で藤井竜王が勝利し勝ち星を先行させた。
結果は後手の負けではあるが、かなり押していた時間が長かったように感じた。先手の藤井竜王にここまでやれるのであれば、佐々木八段にも今後まだまだ挽回するチャンスはあるように思える、そんな一局でした。
悔しさの表れなのか、投了の意思を示めすと即感想戦に入る佐々木八段。
この悔しさを次の先手番で晴らせることが出来るのか。
次回は大阪・茨木市での対局となります。
《タカダ》
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