王座戦第2局、混戦の行方
2023年09月17日
王座戦第2局は、まるで別々の将棋を2局続けたような、なんとも不思議な1局となりました。
9月12日に行われた王座戦五番勝負第2局目、兵庫県神戸市のホテルオークラ神戸で開催されました。

今期先手無敗の藤井七冠から後手番で勝利を収め、幸先良く先勝した永瀬王座、第2局は先手でここも勝つと早々にタイトル防衛+永世称号である名誉王座に王手がかかります。
これまでの先手無敗神話を破られた挑戦者の藤井七冠、短期決戦の五番勝負で開幕先手で負けたのがかなり痛いと思われます。
巻き返しが出来るのか、注目です。
本局も両者得意の「角換わり」戦型で始まります。
やはり、先手番で負けたことが大きく響いているのか、序盤に藤井七冠にしては珍しく目に見えて分かりやすい研究手を放ちました。
34手目に6二玉と右玉に構えたのだ!
藤井将棋で居玉から右玉なんて見たこと無い・・・。これは本気だ・・・。
中盤では千日手になりそうな手を指す藤井七冠に対し、永瀬王座も同意する形で指し手を選びましたがその千日手模様を更に藤井七冠が拒否(笑)
そしてお互い時間を使い切り1分将棋となった辺りで永瀬王座が優勢に。
121手目、藤井玉を自陣に縛るため4四と馬を引けば勝利が見えてくるはずだったのだが・・・
1分将棋では正確に指し続けるのは流石に難しい。
永瀬王座が藤井玉の上部を許してしまう一手を指してしまい一気に藤井優勢に。

しかし、この将棋はこのまますんなりと終わることはありませんでした。
永瀬王座に追われながら藤井玉がスルスルと上部に抜け出していく。そして入玉(相手陣地に王様が入ること)。
入玉されてしまうと相手玉を追い詰めるのはなかなか難しい。
持将棋(お互いの玉が詰む見込みがない場合に玉を除く駒、飛角5点、その他1点とし両者24点以上あれば引き分けとするルール)を狙って永瀬王座自身も入玉を目指す形となり双方が入玉する『相入玉』に。
お互い寄せを考えながら点数計算を1分将棋の中で行うのはかんりハードな作業でしょう。朝から対局して一番脳が疲れる最終盤ではなおさら。
しかし、藤井七冠はしっかり詰ます手順も考えていたようで、延々と続くかと思われた対局も214手で藤井七冠が永瀬玉を詰まして終局。

終局図。お互いの駒が相手陣に殺到
自身のタイトル戦での最長手数局を勝ちきり1勝1敗のタイに戻しました。
そして自身のタイトル戦の「連敗をしない」という不敗神話も守りました。
最後は何がなんだかわからないほどの混戦でした・・・。
藤井優勢からの終局図を見比べると同じ1局とは思えないほどの様変わり様です。
短期決戦なので次局の勝者が王座に王手をかけます。
名誉王座か八冠か───
秋の気配が近づく季節ですが王座戦はまだまだ熱い戦いが続きます。
次局も楽しみです^^
《タカダ》
9月12日に行われた王座戦五番勝負第2局目、兵庫県神戸市のホテルオークラ神戸で開催されました。

今期先手無敗の藤井七冠から後手番で勝利を収め、幸先良く先勝した永瀬王座、第2局は先手でここも勝つと早々にタイトル防衛+永世称号である名誉王座に王手がかかります。
これまでの先手無敗神話を破られた挑戦者の藤井七冠、短期決戦の五番勝負で開幕先手で負けたのがかなり痛いと思われます。
巻き返しが出来るのか、注目です。
本局も両者得意の「角換わり」戦型で始まります。
やはり、先手番で負けたことが大きく響いているのか、序盤に藤井七冠にしては珍しく目に見えて分かりやすい研究手を放ちました。
34手目に6二玉と右玉に構えたのだ!
藤井将棋で居玉から右玉なんて見たこと無い・・・。これは本気だ・・・。
中盤では千日手になりそうな手を指す藤井七冠に対し、永瀬王座も同意する形で指し手を選びましたがその千日手模様を更に藤井七冠が拒否(笑)
そしてお互い時間を使い切り1分将棋となった辺りで永瀬王座が優勢に。
121手目、藤井玉を自陣に縛るため4四と馬を引けば勝利が見えてくるはずだったのだが・・・
1分将棋では正確に指し続けるのは流石に難しい。
永瀬王座が藤井玉の上部を許してしまう一手を指してしまい一気に藤井優勢に。

しかし、この将棋はこのまますんなりと終わることはありませんでした。
永瀬王座に追われながら藤井玉がスルスルと上部に抜け出していく。そして入玉(相手陣地に王様が入ること)。
入玉されてしまうと相手玉を追い詰めるのはなかなか難しい。
持将棋(お互いの玉が詰む見込みがない場合に玉を除く駒、飛角5点、その他1点とし両者24点以上あれば引き分けとするルール)を狙って永瀬王座自身も入玉を目指す形となり双方が入玉する『相入玉』に。
お互い寄せを考えながら点数計算を1分将棋の中で行うのはかんりハードな作業でしょう。朝から対局して一番脳が疲れる最終盤ではなおさら。
しかし、藤井七冠はしっかり詰ます手順も考えていたようで、延々と続くかと思われた対局も214手で藤井七冠が永瀬玉を詰まして終局。

終局図。お互いの駒が相手陣に殺到
自身のタイトル戦での最長手数局を勝ちきり1勝1敗のタイに戻しました。
そして自身のタイトル戦の「連敗をしない」という不敗神話も守りました。
最後は何がなんだかわからないほどの混戦でした・・・。
藤井優勢からの終局図を見比べると同じ1局とは思えないほどの様変わり様です。
短期決戦なので次局の勝者が王座に王手をかけます。
名誉王座か八冠か───
秋の気配が近づく季節ですが王座戦はまだまだ熱い戦いが続きます。
次局も楽しみです^^
《タカダ》
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