本のお話
2018年08月05日
雪の花
吉村昭
狂人とさげすまれながら天然痘と闘った一町医の生涯。
天保八年( 1837年 )、気候が不順で大飢饉となった。
そこへ、天然痘が急速に広がってゆく
患者は、全身いたるところに醜い吹き出物ができ、その部分には
膿がたまり、高熱を出しうめき悶えながら死んで行く。
この天然痘が全国に広がり、特に福井の被害が大きく
幕府は、天然痘を漢方医達を集め意見を求め治療法を各藩に伝えた
それは、〈 牛の糞を黒焼きにし、それを粉末にして服用すべし 〉
人々は指示どおり服用するが死を免れる事なく
福井の街中、棺を積んだ大八車が日に何度も、車輪の音を響かせ走り
その度に、人々は恐怖に襲われ逃げまどった。
藩の町医 、《 笠原良策 》は私財をなげうち生命を賭して種痘の苗を福井に持ち込んだ。
感動の結末、おすすめの一冊です。
《 フジイ 》
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