王将戦第1局~掛川城の戦い~
2025年01月19日
第74期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局が静岡県掛川市にある「掛川城・二の丸茶室」で行われました。

藤井聡太王将になってから本棋戦で4期目。王将戦に挑戦者として登場してから開幕局の第1局は負け無しの3連勝。本局も勝って4連勝とすることが出来るのか。
対するはすっかりタイトル戦の常連となった永瀬拓矢九段。
棋士の中で最も藤井聡太を深く敬愛し、そして最もライバル視する存在。
永瀬九段が王将戦に際して色紙に『聡』と揮毫するくらい崇敬しております。
永瀬九段と藤井七冠は過去にタイトル戦で4度対戦がありますが、2日制の対局が今回が初対戦となります。2日制のタイトル戦では無敗の藤井王将に永瀬九段がどこまで迫れるか、そして追い越すことが出来るのかが注目されます。
振り駒の結果、永瀬九段が先手番となりました。
序盤の立ち上がりはお互いの飛車先を突き合う相掛かり模様でしたが永瀬九段がいきなり変化の1六歩を見せる。基本的には角道を通す9六歩を選択するのですが1六歩はあまり見かけない。
その後も永瀬九段積極的な手に藤井王将が纏まった時間を使うことが多くなる。
1筋の攻防では永瀬九段に軍配が上がり、徐々に藤井陣の金駒が玉の周りから剥がされていく。気付くと藤井王将の金が1三の地点まで誘導されてしまった。対する永瀬陣は深い玉型では無いもののどっしりとした陣形で隙がない。対する藤井陣は金銀が玉から遠ざかり心許ない。
1日目は永瀬ペースで進行した。
明けて2日目。午前中も後手の苦しい展開が続く。先手の永瀬九段は後手の陣形を乱すべく左右に攻撃の揺さぶりをかける。
後手もなんとか先手玉に迫るべく桂香で攻撃を仕掛ける。
永瀬九段の持ち駒は歩と飛車。
攻撃の手は緩めずシンプルに後手玉を追っていくかに思われた71手目。
解説陣も「危ない!」と声が漏れた。永瀬九段は7四に馬を引いた。
緩手。この瞬間、後手玉にプレッシャーが無くなった。
その隙を藤井王将が見逃すはずはなかった。
攻守に的確な手を選んでいき、気がつけば永瀬陣の金駒は王様から離れ、対する藤井玉は分厚い鉄壁に守られてるではないですか!あの1三に居た金が遥々4四まで駆けつけ、今や玉頭を守る重要な位置に。
終盤の逆転に永瀬九段も必死に挽回を試みるが、厚みを増した藤井玉に迫ることは叶わず、最後は詰めろ逃れの詰めろの応酬に永瀬九段は113手目を指すことなく投了を告げた。
序中盤に完璧な研究でリードを保っても、研究が外れれば純粋な棋力勝負となる。その終盤力に繋がる棋力が藤井七冠は桁違いなので、藤井七冠に次ぐレーティングの永瀬九段であっても、終盤の一手のミスは藤井七冠の前では許されない。
本局はまさに当てはまる一局だったのではないでしょうか。
そして恒例の勝者の罰ゲーム(笑)
巳年に因んで『へび使い』に扮した藤井王将。

どうなんだこれ(笑)
《タカダ》

藤井聡太王将になってから本棋戦で4期目。王将戦に挑戦者として登場してから開幕局の第1局は負け無しの3連勝。本局も勝って4連勝とすることが出来るのか。
対するはすっかりタイトル戦の常連となった永瀬拓矢九段。
棋士の中で最も藤井聡太を深く敬愛し、そして最もライバル視する存在。
永瀬九段が王将戦に際して色紙に『聡』と揮毫するくらい崇敬しております。
永瀬九段と藤井七冠は過去にタイトル戦で4度対戦がありますが、2日制の対局が今回が初対戦となります。2日制のタイトル戦では無敗の藤井王将に永瀬九段がどこまで迫れるか、そして追い越すことが出来るのかが注目されます。
振り駒の結果、永瀬九段が先手番となりました。
序盤の立ち上がりはお互いの飛車先を突き合う相掛かり模様でしたが永瀬九段がいきなり変化の1六歩を見せる。基本的には角道を通す9六歩を選択するのですが1六歩はあまり見かけない。
その後も永瀬九段積極的な手に藤井王将が纏まった時間を使うことが多くなる。
1筋の攻防では永瀬九段に軍配が上がり、徐々に藤井陣の金駒が玉の周りから剥がされていく。気付くと藤井王将の金が1三の地点まで誘導されてしまった。対する永瀬陣は深い玉型では無いもののどっしりとした陣形で隙がない。対する藤井陣は金銀が玉から遠ざかり心許ない。
1日目は永瀬ペースで進行した。
明けて2日目。午前中も後手の苦しい展開が続く。先手の永瀬九段は後手の陣形を乱すべく左右に攻撃の揺さぶりをかける。
後手もなんとか先手玉に迫るべく桂香で攻撃を仕掛ける。
永瀬九段の持ち駒は歩と飛車。
攻撃の手は緩めずシンプルに後手玉を追っていくかに思われた71手目。
解説陣も「危ない!」と声が漏れた。永瀬九段は7四に馬を引いた。
緩手。この瞬間、後手玉にプレッシャーが無くなった。
その隙を藤井王将が見逃すはずはなかった。
攻守に的確な手を選んでいき、気がつけば永瀬陣の金駒は王様から離れ、対する藤井玉は分厚い鉄壁に守られてるではないですか!あの1三に居た金が遥々4四まで駆けつけ、今や玉頭を守る重要な位置に。
終盤の逆転に永瀬九段も必死に挽回を試みるが、厚みを増した藤井玉に迫ることは叶わず、最後は詰めろ逃れの詰めろの応酬に永瀬九段は113手目を指すことなく投了を告げた。
序中盤に完璧な研究でリードを保っても、研究が外れれば純粋な棋力勝負となる。その終盤力に繋がる棋力が藤井七冠は桁違いなので、藤井七冠に次ぐレーティングの永瀬九段であっても、終盤の一手のミスは藤井七冠の前では許されない。
本局はまさに当てはまる一局だったのではないでしょうか。
そして恒例の勝者の罰ゲーム(笑)
巳年に因んで『へび使い』に扮した藤井王将。

どうなんだこれ(笑)
《タカダ》
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