本のお話
2021年09月13日
悲素
帚木蓬生
1998年 7月25日
夏祭りで60人食中毒、和歌山・手作りカレー原因か
新聞の小さな見出しから始まって、和歌山県警刑事部長より電話。
カレー事件に関して、どうしても沢井先生のお力を借りなければなりません
砒素の臨床で、沢井教授の右に出る人はいないと
被害者の方達の診察、63人・犠牲者は4人です
カレー事件とは別件で、砒素中毒ではないかと疑ってる人間が3人
調べれば人数はもっと増えるかも、全てカレー事件に関連する人です。
和歌山へ来て頂きたい。
ここから10年にわたって裁判の審議を続けたが、カレー事件に関する
小林真由美の犯行動機については不問のままであった。
毒を手にした人間は、知らず知らずのうちに万能感を獲得する
毒の行使がまた次の行使を呼びやめられなくなる
毒を盛っている時だけが、生きてる実感を味わえる、《 嗜癖の魔力 》に
彼女が抗えなかったからだと。
《 フジイ 》
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