本のお話
2018年09月09日
実録 田中角栄
大下英治
二歳の時、ジフテリアにかかって高熱を出し生死の境をさまよった。
この病気が元で吃音となり、近所の子供達のように外に出て飛び跳ねることもなく
あまり外出しないで家で遊ぶことが多かった。
たまに外へ出ると、近所の子供達にいじめられた。
そんな彼が小学校で生涯の恩師に出会いこの言葉を授かる。
『 人間の脳は、数多いモーターの集まりで普通の人はその中の十個か十五個の
モーターを回しておれば生きて行ける。しかしこの脳中のモーターは
努力しさえすれば、何百個も何千個も動かす事も可能だ、
脳中のモーターが三分の一動けば天才である、半分動いたらエジソンになる。
全部動くとお釈迦さんになる。それには勉強するすることであり暗記する事である。
我々人間の頭脳の中は、数限りない印画紙の倉庫となっている。
自分が強く感ずれば印画紙は強く感光するし、弱く感ずれば露出される映像もまた
模糊たるものとなる、自分の姓名さえも書くことが出来ない老婆も真剣に
経文を教われば忘れる事もない、しかし脳中の印画紙は無数あり
しかも一度露出された映像は死ぬ時まで消えることが無い。
難解なものと取り組んで、我々は苦悩する。
全てを暗記するには、数は極めて多過ぎる。しかしそんな時も脳中のモーターは回り
印画紙に対する感光は維持して休む事がない 。』
田中角栄は、道路三法をはじめ33本もの記録的な議員立法をつくり
現在各党にいるリーダーのルーツは全て田中軍団である。
田中角栄が能力だけでなく人間性に温かみが無かったら、人は集まって来ない。
田中角栄が、下の議員から畏敬の念を込めて 『 オヤジさん 』と呼ばれる
最後の政治家ではないかと思う。
《 フジイ 》
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