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本のお話

2017年11月06日

南千里店

ノボさん
小説 正岡子規と夏目漱石
伊集院 静



正岡子規は、野球が好きで自然と人が集まってくる性格に対し
夏目漱石は、逆に人が避けて行くような性格です。

この二人が落語で意気投合し友達になる、

子規が、花火のように短い生涯で才能を燃やし尽くす。

漱石はのちに子規とのことを題も付けず書いている。
そこには若き日に出逢い二人して様々な思いを語り合った子規への友情が
熱く語られている。現代文にすると次のような事である。

『 人の生は水の泡のようなものであろうが、先に泡と消えた君と
まだとどまっている私とは同じ水の中でつながっている。
君はその心を私に残して消えたけれど私の心もいつかは消える。
死は君ひとりだけにやってくるものではない。
私も同じだ、しかし君の記憶は確かに私の心の中に残っている。
君は三十六年の泡であったが、その泡はたしかに生きていたし
愛のある泡であったし、信のある泡であったし、憎悪多き泡であったし、
皮肉屋の泡でもあった。私の泡もいつか破れる日が来る、
その日がいつなのかは知らないが、私の泡の中には君の影があって
前世の憂いをともに夢見ている心地がする。時折、香を焚いて
君の影を昔のように思い出したいが、影はやはりとらえようもないし
何も響いてはこない、ただ生と死というものがあるだけである。』
本文を掲載

二人の友情に感動しました。

《フジイ》

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