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ルネ・マグリット展~イメージの裏切り

2015年07月24日

南千里店

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待ちに待ったこの日、13年振りの再開に心躍らせながらやって来たのは、ひと月前にルーヴル美術館展の観覧に訪れた京都市美術館。
ルーヴル美術館展の展覧会期は9月27日までなので絶賛開催中なのですが、本日は今月11日から開催されたマグリット展を堪能するためにやって来ました!
外壁に掲げられている展覧案内画は贅沢にもルーヴルとマグリットがコラボしております。

この光景は二度と見られないかも・・・などと暫し眺めた後早速入館です。
今回は前売り鑑賞券を持っていますのでチケット売り場はスルーします。



さあ入り口です。ここからは不思議ワールドです。


やはり、お隣のルーヴルの方が人が多いですね。
まあ、美術館所蔵の名画たちと単一画家の展覧会では認知度は比べるべくもありませんが、私は断然マグリット派です。それはこの画家とその作品との30年来の付き合いだからというのもあります。
中学生の美術の教科書で見た《ピレネーの城》は自分にとって衝撃的な出会いでした。

絵画とは、目で見た人物や風景の模写に過ぎないと思っていた固定観念がいとも容易く破壊されるに至った作品でありまた、その後の自分が美術史と技法を知りたいと思ったきっかけでもありました。

ここでマグリットをサクッとご紹介。
ルネ・マグリット(Rene Magritte)1898年11月21日-1967年8月15日
ベルギーの画家であるマグリットは、青年時代はグラフィックデザイナーとして広告ポスターなどの仕事を手がけ、抽象画やキュビズムの影響を受けつつ模索していたが、1923年にジョルジョ・デ・キリコの《愛の歌》に見られる形而上絵画に深い感銘を受けて以後、シュルレアリスムに傾倒していくこととなります。


《愛の歌》

シュルレアリスムとは、具象的な事物を不条理な世界観の中にありえない組み合わせとして登場させた手法で、見たことのある風景や馴染みの物を現実世界ではありえない組み合わせを行っています。


こんなのとか。


こんな感じで。


この、当時の中学生の美術教科書に載っていた前述の《ピレネーの城》はマグリットの代名詞と呼ばれているぐらい有名です。

今回も早めに行って正解でした。11時に入場して、出てきたのが14時30分を過ぎておりました。
総勢130点。3時間半をかけてじっくり観賞致しました。

その中でこれぞマグリットという作品を幾つか・・・。


《白紙委任状》
林のなかに紛れ込む馬と女性・・・だまし絵的なこの作品は、「目に見えないものを私たちの視界から隠すことはできません」という本人の言葉通り、視覚化されないものを画面上に露わにしております。


《光の帝国Ⅱ》
空は晴れ渡っているのに、建物は夜に包まれている・・・日常的に起こる事象を同画面に描き出した不可思議な一作。Ⅱとありように、同モチーフは何と22作も描かれております。特に人気があったモチーフなので依頼主からの注文が多かったのでしょうね。


《アルンハイムの地所》
雄大な自然の山脈を1頭の猛禽類に見立てて描かれた作品。巣の中の卵は同モチーフで個数が違うんです・・・なんででしょうね?あと、猛禽類を模した頭上に昇る三日月の欠ける方向も違ったり・・・何とも不思議な感じです。


《大家族》
これは、有名な作品ですね。この絵は現在、日本の宇都宮美術館所蔵となっております。約20年前、同館の目玉として約6億円で購入されました。曇天に飛ぶ青空の鳥。航空会社の広告として起用されたこともありました。
自分も好きな絵のひとつです。

このように、実際目にする単純なものであっても、その組み合わせが少しでも違うと人は感情を揺さぶられる。イメージが裏切られる。そんな驚く人々を見てマグリットは楽しんでいたのでしょう。

とても有意義な時間でした。

で、お決まりのミュージアムショップ。

まあ人の多いこと多いこと(笑)
ここではベルギー直輸入の品々が並んでおりました。やはり、アートポストカードが人気でした。


自分は図録とポストカードを少々・・・。

次はいつどこで会えるのでしょうか。



《タカダ》

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